被リンクとは？SEO効果から質の高い被リンクの増やし方まで徹底解説

2025.11.10

Webサイトの運営を始めたばかりの方、あるいはSEOに取り組んでいる方は「被リンク」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、その本当の意味や重要性を正確に理解し、具体的な対策に落とし込めているケース […]

Webサイトの運営を始めたばかりの方、あるいはSEOに取り組んでいる方は「被リンク」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。

しかし、その本当の意味や重要性を正確に理解し、具体的な対策に落とし込めているケースはまだ少ないのではないでしょうか。

被リンクは、単に数が多ければ良いというものではなく、その「質」が検索順位を大きく左右する、SEOにおいて極めて重要な要素です。

この記事では、被リンクの基本的な概念から、SEOにもたらす具体的な効果、そして最も重要である「質の高い被リンクの増やし方」まで、専門的な内容を一つひとつ丁寧に解説していきます。

被リンクとは

被リンクとは「外部のWebサイトから自社のサイトへ向けて設置されたリンク」のことです。バックリンク（Backlink）とも呼ばれ、SEOの世界では検索エンジンがサイトの価値を判断するための、非常に重要な指標として扱われます。

あなたが信頼できる友人から「この本は本当に面白いよ」と推薦されたら、その本に対する興味や信頼度はぐっと高まりますよね。

検索エンジンにおける被リンクもこれと同じ原理です。Googleなどの検索エンジンは、「多くの質の高いサイトからリンクされているサイトは、それだけ価値が高く、信頼できる情報を提供しているに違いない」と判断します。

つまり、被リンクは他サイトからの「評価」や「推薦」の証明であり、その数と質が、検索結果の順位を決める上での強力な評価基準となるのです。

また、Googleがリンクとして正しく認識し、クロールするためには、リンクが<a>というHTMLタグにhref属性が指定された形式である必要があります。

良い例

<a href=”https://www.example.com/products/new-camera”>カメラの新商品一覧</a>
悪い例

href属性がないaタグ
aタグ以外のタグを使用したリンク（aの代わりにspanやdivをつかっているなど）
JavaScriptによってページ遷移させるリンク

スクリプトなど他の方法で実装されたリンクは、Googleのクローラーに正しく認識・抽出されない可能性があるため、SEOの観点からはこの標準的な形式で設置されていることが重要となります。

被リンクがもたらすSEOへの3つの効果

被リンクの重要性についてご理解いただけたところで、次はその具体的な効果について、もう少し深く掘り下げていきましょう。

質の高い被リンクを獲得することは、主に以下の3つの観点からあなたのサイトに良い影響をもたらします。

検索順位の向上
サイトの専門性・権威性の向上
クローラビリティの向上によるインデックス促進

では、なぜ質の高い被リンクを獲得すると、上記のような効果が得られるのか。その仕組み・理由を確認していきましょう。

検索順位の向上

被リンクがもたらす最も直接的で大きな効果は、検索順位の向上です。これは、Googleがサイトの評価を決める上で、被リンクを非常に重視しているためです。

先ほどの例えを思い出してください。無名の人物からの推薦よりも、その分野の権威ある専門家からの推薦の方が、はるかに信頼性が高いですよね。

同様に、すでにGoogleから高く評価されているサイト（権威性の高いサイト）からの被リンクは、あなたのサイトの評価を大きく引き上げる効果があります。

Googleは、こうした質の高い被リンクを多く集めているサイトを「ユーザーにとって有益な情報源である」と判断し、検索結果の上位に表示させやすくなります。

これが、SEO対策において被リンク獲得が重要と言われる最大の理由です。

＜筆者のコメント＞

昨今では、EEATと呼ばれる「経験、専門性、権威性、信頼性」のあるサイトを上位表示させる傾向があるため、SEOにおける被リンクの重要性は年々高まっています。

サイトの専門性・権威性の向上

被リンクは、サイトの「信頼性」や「権威性」を高める上でも重要な役割を果たします。Googleは、ユーザーに最も信頼できる情報を提供するため、各分野における専門家や権威あるサイトを高く評価する傾向にあります。

例えば、医療情報に関するあなたの記事が、大学病院や公的な医療機関のサイトからリンクされたとします。これは、検索エンジンに対して「この記事は専門家からも認められるほど、信頼性が高い内容である」という強力なシグナルを送ることになります。

権威性・信頼性を示す「質の高い被リンク」の具体例リスト

法律に関する解説記事が、弁護士会や政府機関（法務省など）のサイトから参照リンクされる。
金融商品の分析記事が、大手経済新聞社や証券会社の公式サイトから引用される。
新しいプログラミング技術の解説記事が、その技術の公式サイトや大手IT企業の技術ブログからリンクされる。
子育てに関する情報サイトの記事が、市町村の公式サイトの子育て支援ページで紹介される。
特定の観光地の詳細な旅行ガイドが、その地域の公式観光協会のサイトからリンクされる。
専門的なレシピや調理法の記事が、有名料理学校や大手食品メーカーの公式サイトで紹介される。
科学的な考察を含む記事が、大学の研究室のウェブサイトや学術機関のページから引用される。

このように、関連性の高い専門的なサイトからの被リンクを積み重ねていくことで、あなたのサイトは徐々にその分野における「権威」として認識されるようになります。

結果として、個別のキーワードだけでなく、関連する様々なキーワードにおいても上位表示されやすくなるという好循環が生まれるのです。

クローラビリティの向上によるインデックス促進

3つ目の効果は、サイトの「クローラビリティ」が向上し、検索エンジンへのインデックスが促進されるという点です。クローラビリティとは、検索エンジンのロボット（クローラー）がサイト内をどれだけ効率的に巡回し、情報を収集しやすいかを示す指標です。

クロールからランキングまでの流れ

クロール（発見）：検索エンジンの自動プログラムである「クローラー」（またはスパイダー、ボット）が、既知のウェブページやサイトマップをたどり、ウェブ上に存在する新しいページや更新されたページを発見します。リンクをたどって、次から次へとページを巡回していきます。
インデックス（登録）：クローラーが収集したページ情報を、検索エンジンの巨大なデータベース（索引）に登録する工程です。この際、ページに書かれているテキスト、画像、動画などのコンテンツが解析され、どのような内容のページであるかが整理・分類されます。インデックスに登録されて初めて、そのページは検索対象となります。
ランキング（順位付け）：ユーザーが検索キーワードを入力すると、検索エンジンはインデックスの中からそのキーワードと関連性の高いページを瞬時に探し出します。そして、200以上あると言われる評価基準（アルゴリズム）に基づき、ページの専門性、権威性、信頼性、ユーザー体験などを総合的に評価し、最もユーザーの役に立つと判断した順にページを並べて検索結果として表示します。

クローラーは、Web上に張り巡らされたリンクを辿って様々なサイトを発見し、その内容をデータベースに登録（インデックス）します。

もしあなたのサイトがどこからもリンクされていなければ、クローラーがあなたのサイトを発見するまでに時間がかかったり、最悪の場合、見つけてもらえない可能性すらあります。

しかし、すでにクローラーが頻繁に訪れているような質の高いサイトからリンクが設置されれば、そのリンクを辿って、あなたのサイトにもクローラーが訪れやすくなります。

これにより、新しいページを作成したり、既存のページを更新したりした際に、その内容がより速く検索エンジンに認識され、検索結果に反映されやすくなるのです。

評価される被リンクと評価されない被リンクの違い

さて、ここまで被リンクがSEOに与える好影響について解説してきましたが、ここで一つ非常に重要な注意点があります。

それは、すべての被リンクが等しく評価されるわけではない、ということです。むしろ、中にはサイトの評価を下げてしまう「質の低い被リンク」も存在します。

ここでは、Googleから高く評価される「質の高い被リンク」と、ペナルティのリスクさえある「低品質な被リンク」の違いを明確に見ていきましょう。

質の高い被リンクの5つの特徴

質の高い被リンクとは、検索エンジンが「これは自然な推薦であり、サイトの価値を証明するものだ」と判断するリンクのことです。具体的には、以下の5つの特徴を持つものが挙げられます。

特徴	具体例・理由
関連性の高いサイトからのリンク	例: 料理レシピのサイトが、食品メーカーや他の料理ブログからリンクされる。理由: サイトのテーマが関連しているため、リンクの価値が高いと評価される。
権威性のあるサイトからのリンク	例: 公的機関、大手企業、有名メディアなど、社会的に信頼されているサイトからのリンク。理由: リンク元の権威性が、自サイトの信頼性や権威性を大きく向上させる。
多くのアクセスを集めるページからのリンク	例: 実際に多くのユーザーが訪れている人気ページからのリンク。理由: 多くの人の目に触れる機会があり、価値が高いと判断される。
自然な形で設置されたリンク	例: 記事の文脈に沿って、読者の理解を助けるために自然に設置されたリンク。理由: 編集者が純粋に「読者に紹介する価値がある」と判断した証とみなされる。
アンカーテキストが適切なリンク	例: リンク先のページ内容を示すキーワードが、リンクのテキスト（アンカーテキスト）に含まれている。理由: 検索エンジンがリンク先のページ内容を理解しやすくなり、評価が高まる。Googleは公式に、アンカーテキストは「内容が具体的で、適度に簡潔で、リンク先のページに関連がある」ものであるべきだと述べています。

上記の特徴を持つ被リンクは、一つ獲得するだけでも検索順位に良い影響を与える可能性が高いです。

SEOに悪影響を及ぼす低品質な被リンク

一方で、サイトの評価を下げる、あるいはGoogleからペナルティを受ける原因となりうる低品質な被リンクも存在します。これらは、検索順位を不正に操作しようとする意図が見られるものがほとんどです。

違反するリンクの種類	具体例・理由
Googleのガイドラインに違反するリンク	例: 金銭の支払いを伴うリンク購入、過剰な相互リンク。理由: 「リンクスパム」と呼ばれる作為的な操作であり、発覚すると厳しいペナルティの対象となる。
関連性のないサイトからのリンク	例: サイトのテーマと全く関係のない海外のアダルトサイトやギャンブルサイトからのリンク。理由: リンクの文脈が不自然であり、サイトの評価に繋がらない。
自動生成されたサイトからのリンク	例: プログラムによって自動的に作られた、内容の薄いサイトからの大量のリンク。理由: ユーザーにとって価値のないページからのリンクと見なされるため、評価されない。
隠しリンク	例: 背景色と同じ色のテキスト、非常に小さいフォントサイズなど、ユーザーから見えないように設置されたリンク。理由: ユーザーを欺く行為であり、典型的なスパム手法として厳しく扱われる。

また、低品質なリンクとは異なりますが、リンクの性質をGoogleに正しく伝えるためのrel属性についても理解しておくことが重要です。Googleは特に以下の属性を使い分けることを推奨しています。

属性	説明
rel=”sponsored”	広告やタイアップ記事など、何らかの対価の支払いによって設置されたリンクに使用します。
rel=”ugc”	コメントやフォーラムの投稿など、ユーザーが作成したコンテンツ内のリンクに使用します（User Generated Contentの略）。
rel=”nofollow”	上記に当てはまらず、リンク先を推奨しない、または評価を渡したくない場合に使用します。

これらの属性を適切に設定することで、サイトの信頼性を保ち、Googleからの評価を正しく受けることにつながります。

基本的なリンクの設置方法とコード例

では、実際にGoogleに正しく評価されるリンクは、どのように記述すればよいのでしょうか。基本的なコードの書き方と、推奨される記述方法を見ていきましょう。

最も基本的なリンクのコード

Webページにおけるリンクは、<a>（アンカー）タグとhref（ハイパーリファレンス）属性を使って作成します。

<a href=”https://www.example.com/target-page.html”>リンク先のページを説明するテキスト</a>

<a></a>: このタグで囲まれた部分がリンクになります。
href=”…”: ダブルクォーテーションの中に、リンク先のURLを記述します。
>…</a>: <a>タグで囲まれたテキストが、実際にページ上でユーザーが見てクリックする「アンカーテキスト」になります。

rel属性を使ったコード例

前述したrel属性は、<a>タグの中に記述します。これにより、検索エンジンに対してリンクの性質を伝えることができます。

・通常のリンク（推奨する場合）
rel属性は不要です。

<a href="https://example-site.com/useful-article">この記事が非常に参考になります</a>

・広告・スポンサーリンクの場合
rel=”sponsored”を使用します。

<a href="https://advertiser-site.com" rel="sponsored">〇〇社提供の新サービスはこちら</a>

・ユーザー投稿コンテンツ（コメント欄など）のリンクの場合
rel=”ugc”を使用します。

<a href="https://user-submitted-site.com" rel="ugc">ユーザーさんのおすすめサイト</a>

・リンク先を推奨しない・評価を渡したくない場合

<a href="https://untrusted-site.com" rel="nofollow">参考サイト（ただし情報の正確性は不明）</a>

これらのコードを適切に使い分けることが、サイトの信頼性を維持する上で重要です。最初からレギュレーション・ルールを決めて、外部リンクの設置時には正しい使い分けをする習慣を作りましょう。

質の高い被リンクを増やすための7つの方法

質の高い被リンクと低い被リンクの違い、そして基本的な設置方法を理解したところで、いよいよ本題である「どうすれば質の高い被リンクを増やせるのか」という具体的な方法について解説していきます。

これから紹介するのは、効果がでるまで時間がかかったり、工数がかかる施策です。しかし、着実に実践すればあなたのサイトの評価を1段階、2段階あげることができるアプローチです。

＜筆者コメント＞

まずは「自分たちが取り組めそうな被リンク施策はどれか」を考えながら、具体策をチェックしていきましょう。

ユーザーに役立つ質の高いコンテンツを作成する

質の高い被リンクを獲得するための最も王道かつ確実な方法は、他の人が「参照したい」「紹介したい」と自然に思うような、圧倒的に質の高いコンテンツを作成することです。これは、すべての被リンク獲得施策の土台となる、最も重要な考え方です。

ユーザーが抱える悩みや疑問に対して、どこよりも分かりやすく、深く、そして正確な答えを提供するコンテンツは、自然と多くの人の目に留まり、共有され、結果としてリンクされます。

小手先のテクニックに走る前に、まずは読者のために価値ある情報を提供するという原点に立ち返ることが、被リンク獲得への一番の近道なのです。

独自性のある調査データやインフォグラフィックを公開する

他にはないオリジナルの情報を提供することも、被リンクを獲得する上で非常に有効な手段です。

例えば、自社で実施したアンケート調査の結果や、業界の統計データを分析したレポートなどは、多くのメディアやブロガーにとって引用価値の高い情報源となります。
また、複雑な情報を一枚の絵にまとめた「インフォグラフィック」も効果的です。

視覚的に分かりやすいインフォグラフィックは、SNSなどで拡散されやすく、多くのサイトが引用元としてあなたのサイトへリンクを設置してくれる可能性が高まります。

コンテンツの例	内容・特徴
調査・分析レポート	自社独自のアンケート調査や、公開データを分析したレポート。一次情報としてメディアなどが引用しやすい。
インフォグラフィック	複雑な情報やデータを視覚的に分かりやすくまとめた一枚絵。SNSで拡散されやすく、引用元としてリンクされやすい。
無料ツール・シミュレーター	住宅ローン計算、文字数カウントなど、ユーザーの課題を解決する便利なオンラインツール。実用性が高く紹介されやすい。
網羅的なガイド記事	特定のテーマを徹底的に解説した「完全ガイド」。そのテーマの決定版として、多くのサイトから参照される。
専門家へのインタビュー	業界の権威やインフルエンサーへの独占インタビュー。その人物のファンや関連メディアからのリンクが期待できる。
テンプレート・資料集	すぐに使えるチェックリスト、Ebook、各種テンプレートなど。ダウンロードページへのリンクが貼られやすい。
ケーススタディ（導入事例）	自社サービスを導入した顧客の成功事例。具体的な成果を示すことで、説得力のあるコンテンツとして引用される。
用語集・リソースページ	特定の業界の専門用語を網羅したページ。用語の定義を引用する際にリンクされやすい。

これらのコンテンツは作成に手間がかかりますが、その分、他社にはない強力な「リンク獲得資産（リンカブルアセット）」となり得ます。

リンク切れのページを知らせて自サイトのコンテンツを提案する

これは少し高度なテクニックですが、関連サイトがリンクしているページが、すでに存在しないページ（リンク切れ、404エラー）になっているのを発見した場合、それは大きなチャンスです。

そのサイトの運営者に対して、「貴サイトの〇〇というページで紹介されているリンク先が、リンク切れになっていますよ」とメールや問い合わせフォームから伝えます。

そしてその上で、「もしよろしければ、そのリンク先の代替として、弊社のこちらのコンテンツが参考になるかと思います」と、あなたのサイトの関連ページを提案するのです。

【提案例】

件名：【リンク切れのご報告】貴サイトの記事「（リンク切れがあった記事のタイトル）」について

本文：

（相手のサイト名）ご担当者様

はじめまして。

「（あなたのサイト名）」というサイトを運営しております、（あなたの名前）と申します。

いつも貴サイトのコンテンツを興味深く拝見し、勉強させていただいております。

本日、貴サイトの記事を拝見しておりましたところ、リンクが切れていると思われる箇所がございましたので、ご報告させていただきます。

読者の方にとっても有益な情報が見られなくなっているのは、少しもったいないと感じ、僭越ながらご連絡いたしました。

▼ 該当の記事

（リンク切れがあったページのURLをここに記載）

▼ 該当箇所

記事内の「（リンクが設定されているテキストを記載）」という部分のリンク

もし、こちらのリンク先の代替となる情報をお探しでしたら、私どものサイトで公開しております、以下の記事がテーマとして関連性が高く、貴サイトの読者の皆様のお役に立てるかもしれません。

▼ 代替候補の記事

記事タイトル：（あなたの記事のタイトル）

URL：（あなたのサイトのページのURLをここに記載）

この記事では、（リンク切れページのテーマ）について、さらに深掘りして解説しております。

もちろん、リンクを修正されるかどうかのご判断は、貴サイトの編集方針にお任せいたします。あくまで、代替案の一つとしてご検討いただけますと幸いです。

突然のご連絡、失礼いたしました。

今後とも、貴サイトの更新を楽しみにしております。

（あなたのサイト名）

（あなたの名前）

サイトURL：（あなたのサイトのトップページのURL）

サイト運営者にとっては、リンク切れを修正できるというメリットがあり、あなたにとっては質の高い被リンクを獲得できる可能性がある、双方にとって有益なアプローチです。

プレスリリースを配信してサイテーションを獲得する

新しいサービスを開始したり、独自調査の結果を発表したり、イベントを開催したりする際には、プレスリリースを配信することが有効です。

プレスリリースとは、企業や団体が報道関係者に向けて、公式情報を発表するための文書のことです。

配信されたプレスリリースがニュースサイトやWebメディアの記者の目に留まれば、記事として取り上げられ、その中であなたのサイトが紹介（サイテーション）され、リンクが設置される可能性があります。

特に、社会性や新規性の高い情報はニュースになりやすく、多くのメディアからの被リンク獲得につながることも少なくありません。

SNSを活用してコンテンツの認知を拡大する

X（旧Twitter）やFacebookなどのSNSは、直接的なSEO効果は限定的ですが、コンテンツの認知を拡大し、間接的に被リンク獲得を促進する上で非常に重要な役割を果たします。

どれだけ素晴らしいコンテンツを作成しても、誰にも知られなければリンクされることはありません。SNSで積極的にコンテンツを告知し、フォロワーに共有してもらうことで、より多くの人の目に触れる機会が生まれます。

その結果、あなたのコンテンツを発見したブロガーやメディア運営者が、自身のサイトで引用・紹介してくれる可能性が高まるのです。

自サイトの被リンクを調べる方法

ここまで被リンクを増やすための戦略について解説してきましたが、効果的な施策を打つためには、まず現状を正確に把握することが不可欠です。

つまり、現在どのようなサイトから、どのページに、どれくらいの被リンクが集まっているのかを知る必要があります。ここでは、自サイトの被リンク状況を確認するための代表的な方法を2つ紹介します。

Googleサーチコンソールで無料で確認する

Googleサーチコンソールは、Googleが無料で提供しているサイト管理者向けのツールで、自サイトの被リンク状況を確認する基本的な機能を備えています。

左側のメニューから「リンク」を選択すると、「外部リンク」の項目で被リンクの総数や、リンク元の上位サイト、リンクされている上位のページなどを確認することができます。

費用をかけずに自サイトの被リンクの全体像を把握するには、まずこのツールを活用するのが良いでしょう。ただし、確認できるのは自サイトのデータのみで、競合サイトの被リンク状況を分析することはできません。

ツール名	主な特徴	こんな方におすすめ
Ahrefs（エイチレフス）	業界最大級の被リンクデータ量を誇り、分析の精度が非常に高い。新規・消失リンクの検知も速い。	被リンク分析を専門的かつ徹底的に行いたい方。競合の詳細な戦略まで丸裸にしたい方。
Semrush（セムラッシュ）	被リンク分析だけでなく、キーワード調査や広告分析など、オールインワンでSEOに必要な機能が揃っている。	被リンクだけでなく、SEO対策全般を一つのツールで効率的に管理したい方。
Moz Pro（モズプロ）	サイトの権威性を示す独自指標「ドメインオーソリティ（DA）」が有名。UIが直感的で初心者にも使いやすい。	これから被リンク分析を始める方。サイトの権威性を客観的なスコアで把握したい方。

低品質な被リンクへの対処法

被リンクの現状を分析する中で、もしかしたらあなたのサイトにも、意図せず低品質なリンクがついてしまっていることがあるかもしれません。

先ほど解説したような、明らかにスパム的であったり、関連性の低いサイトからのリンクを発見した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、そのリスクと具体的な対処法について解説します。

スパムリンクを放置するリスク

低品質なスパムリンクを放置しておくことには、大きく分けて2つのリスクがあります。

Googleからの手動対策（ペナルティ）: リンクの売買など、悪質なリンクプログラムへの関与が明らかになった場合、Googleから手動による対策、いわゆるペナルティを受けることがあります。ペナルティを受けると、サイト全体の検索順位が大幅に下落したり、インデックスから削除されたりする可能性があります。
検索アルゴリズムによる自動的な評価下落: 近年のGoogleのアルゴリズムは非常に賢くなっており、悪質なリンクを自動的に検知し、その価値を無効化、あるいはマイナスに評価するようになっています。意図せずともスパムリンクが増えてしまうと、サイト全体の信頼性が損なわれ、じわじわと検索順位が下がっていく可能性があるのです。

これらのリスクを避けるためにも、不自然な被リンクを発見した場合は、適切な対応を取ることが重要です。

Googleのリンク否認ツールの使い方

自サイトに付いている低品質なリンクに対して、サイト運営者に連絡しても削除してもらえない場合や、そもそも連絡先が不明な場合には、Googleの「リンク否認ツール」を使用します。

これは、「この被リンクは自サイトとは無関係であり、評価の対象にしないでほしい」とGoogleに申請するためのツールです。

否認手順の概要は以下の通りです。

種類	原因	影響・結果
手動対策（ペナルティ）	リンクの売買など、Googleのガイドラインに意図的に違反する悪質なリンクプログラムへの関与。	Googleの担当者による手動での対策。サイト全体の検索順位が大幅に下落したり、インデックスから削除されたりする可能性がある。
アルゴリズムによる自動的な評価下落	意図しないスパムリンクの増加や、アルゴリズムが不自然と判断するリンクの蓄積。	Googleの検索アルゴリズムによる自動的な検知と評価。該当リンクの価値が無効化されたり、サイト全体の信頼性が損なわれ、検索順位が徐々に下落したりする可能性がある。

ただし、このツールの使用は慎重に行う必要があります。誤って質の高いリンクまで否認してしまうと、かえってサイトの評価を下げてしまう可能性があるからです。Googleも「高度な機能」と位置付けており、使用は明らかに有害なリンクに限定することが推奨されています。

まとめ

本記事では、SEOにおける被リンクの重要性から、質の高い被リンクを獲得するための具体的な方法、そしてリスク管理までを網羅的に解説してきました。

被リンク対策は、一朝一夕で成果が出るものではありません。しかし、ユーザーのために価値あるコンテンツを作り、それを粘り強く発信し続けるという正攻法のアプローチは、着実にあなたのサイトの評価を高め、揺ぎない資産となります。

今回ご紹介した内容を参考に、まずは自サイトの現状分析から始め、できることから一つずつ実践してみてください。その地道な一歩が、あなたのサイトを検索結果の頂へと導く、確かな道筋となるはずです。

被リンクに関するよくある質問

最後に、被リンクに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

被リンクは購入しても良いですか？

被リンクを購入する行為は絶対に避けるべきです。被リンクの購入は、Google検索セントラルのガイドラインで明確に禁止されている「リンクスパム」に該当します。
この行為が発覚した場合、Googleから手動ペナルティを受け、検索順位が大幅に下落したり、最悪の場合は検索結果に表示されなくなったりする可能性があります。もし広告やスポンサーシップの一環として対価を支払ってリンクを設置する場合には、そのリンクにrel=”sponsored”属性を必ず付与し、広告リンクであることをGoogleに明示する必要があります。

被リンクはどれくらいの期間で効果が出ますか？

被リンクの効果が現れるまでの期間は、リンク元のサイトの質や、Googleのクローラーがそのリンクを認識するタイミングなど、様々な要因によって変動するため、一概に「〇ヶ月で効果が出る」と断言することはできません。

一般的には、権威性の高いサイトからリンクされれば比較的早く、数週間から1ヶ月程度で順位に変動が見られることもあります。しかし、基本的には数ヶ月単位の長期的な視点で効果を測定していく必要があります。

重要なのは、短期的な効果に一喜一憂せず、質の高いリンクを継続的に獲得していくことです。

相互リンクはSEOに効果がありますか？

かつては相互リンク（お互いのサイトでリンクを張り合うこと）もSEOに有効な手法とされていましたが、現在では「過剰な相互リンク」はGoogleのガイドラインで禁止されており、評価されない、あるいはスパムと見なされる可能性があります。

もちろん、関連性の高いサイトと自然な形で紹介し合うといった、ユーザーにとって価値のある相互リンクであれば問題ありません。しかし、「相互リンク集」のようなページを作成したり、順位操作だけを目的として無関係なサイトとリンクを交換したりする行為は、避けるべきです。

もしリンク先に評価を渡したくない場合は、Googleが推奨するようにrel=”nofollow”属性を使用することを検討してください。

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